デリヘルのキャストを集める方法

「それは一番大事、とにかく金がかかる。
女性向けの求人広告で大手の紙媒体ならば一頁約三〇万円、大手のネット媒体ならば一件約五万円か相場で、これが日常的にかかってくる。
資金繰りに余裕があるなら、何社か使って反応の鈍い広告は即切った方がいい。
集客は無店舗型になるとポータルサイトへの営業広告と、ホームページが頼みの綱で広告に金を惜しむと客が集まらない。
一店舗目の新規出店なら営業広告にも莫大な金額がかかるだろうね。
要はリピーターのお客さんが増えるまで、女の子の求人と営業広告の出費にどこまで耐えられるかなんだよね。
リピーターの率が多くなれば、もうまわるから宣伝はホームページだけでいい。
広告費を減らしていけるわけ。
新規出店だったら営業広告含めて毎月一〇〇万~一五〇万円くらい、リピーターが増えても毎月五〇万~七〇万円くらいはかかっちゃうんじゃないの。
金がかかり過ぎるよね」
女性募集の求人広告の反響は、一日二人くらい。
平均すると月二〇人くらいが面接にやってくるという。
まず運転免許証や住民基本台帳カードで年齢を確認。
年齢に問題のない女性を二〇人面接して、採用するのは多くて三人。
過半数は風俗嬢として耐えうるレベルに達していないので斷るという。
「いい子がきたら、とにかく『稼げる』を強調して、その日のうちに講習に持ち込む。
気が変わらないうちに仕事に就かせる。これに尽きるよ。いい女のコは即決しないと他に取られちゃうから。
ダメな女の場合は、名前と電話番号と住所だけ書かせて、世間話でもして『なにか聞きたい事ありますか』つて聞いて、さっさと帰しちゃうの。『明日電話がなかったら御縁がなかったと思ってください』つて。
だいたいね、デリヘルだと女の子はもって半年だから。稼げない女の子がぐるぐるぐるぐる都内の類似店をまわっているのね。
他に移れば、そこでは新人扱いになるから最初だけはお客がつく。で、稼げなくなったらまた他の店に移るみたいな」館山氏の店の価格は六〇分一万八〇〇〇円、それに三〇〇〇~四〇〇〇円程度のホテル代がプラスされる。
女性は保証なしの完全歩合制で、売り上げの配分は六(女性)対四(店)としている。
一人の客をつけると、店は七二〇〇円の売り上げとなる。
事務所が歌舞伎町の真ん中にあり、車両やドライバーの人件費の必要がないというメリットはあるが、一日の客数はせいぜいI〇~二〇人程度という。
売り上げの大部分は広告費で消える。館山氏は住み込みのような状態で、昼から朝方まで働かざるを得ないという。
およそ荒稼ぎとはほど遠い状態だが、これでも取材当時は「デリヘル起業」が話題となって過度期を過ぎたあたり、まだ多くの起業を考えている者の選択肢の一つに入っていた。
リーマンショックが直後に起こり、東日本大震災がこの三年後にあったので、現在のデリヘルを取り巻く環境は当時より、さらに厳しくなっている。それは、先の山崎氏の話からもよくわかるだろう。